言葉の使い手さんへ。
シゲアキさんは最近だいぶ高く遠くに行ってしまったような気がしている。私自身も一時期より少し離れた所から観ることができるようになったのかもしれない。物書きという知識人として、社会に対する意見も述べることも増えた。でも、私はそんな彼からこぼれる難しい言葉よりも、ド直球のお星様のようにとんがった素直な言葉が好きなのだ。
なぜなら、それが彼の不器用な心の内を一番的確に表すから。難しい表現を駆使すると、その言葉で武装して本心を隠すことになりかねない。
面白いことに、彼の本の中での印象的なシーンにおいてはとてもシンプルな言葉が並んでいる。
「やらないなんてないから」―『ピンクとグレー』
「彼の涙が不足しないように、僕は自分の分も彼の涙に混ぜた。」―『ピンクとグレー』
「理解なんて、僕らの間にはなんの意味もないんだ。」―『にべもなく、よるべもなく』
「二人がいなくなっても、あなたはあなたなの。そう気づかなきゃだめなの。」―『だいじなもの』
そして、彼自身もコンサートでは数々の名言を残しているが、一番はこれしかない。
「正直、もうだめかと思いました」
「もう、ねえから」
「おれの方が愛してるよ!」
語彙力お化けで、カタカナ語たくさん使うけれども、大切なことはいつもささやかな言葉でまっすぐ伝えてくれる。そんな彼が大好きだ。
できれば、これから先もそんな言葉の使い手でありますように。彼の言葉の魔法にかけられて、やっぱり好きだ~!!!!と言える未来が続きますように。
29歳おめでとうございます。
PS 実は、私が書く文章のカテゴリ。増田さんよりも加藤さんの話題の方が多いって今気づいた。面白い。
あと、以前「寝ながら学べる構造主義」を読んでいるということに学歴厨は滾りました。ありがとう。