うごきだした「音」と「星」と「光」。NEWS7thアルバム「QUARTETTO」

アルバムタイトルが発表されてから、なかなか仰々しい大層なタイトルで負けやしないか……。と勝手に不安を感じていたのだが、ちょっと泣きたくなるくらいの出来(良い意味で)だったのでシゲアキさんには負けるけれども感想を。今回は「音」と「星」と「光」のアルバムだった。ところどころに個人の嗜好が入っていますので悪しからず。

1. Theme of "QUARTETTO"
DVD見たときに、あの音を組み合わせて繰り返す機材をどこかで見たなーと思ったら、スキマスイッチのライブだった。アーティスティックだなあ。音を重ねた後に、それぞれの曲が出てくるのがいい。ひたすらにかっこいい。ここで結構チュムチュムの一部が効いている。ここからそれぞれの曲へ繋がっていくはじまりの「音」。

2. QUARTETTO
最初のアカペラ4声のハーモニーを、冒頭で音として残して繰り返されるのが面白い手法。合唱って4声なのでとても良いバランス。この曲を聴いたときに、増田さんの10000字インタビューを思い出した。お涙ちょうだいの物語を表立ってするのはもう辞めるのかな。ひたすら力強い「音」と「星」と「光」が彼らに降り注いでいる様子が浮かんでくる。NEWSの黎明を象徴する曲。
Take you all "QUARTETTO"world Ready go(あなたを"QUARTETTO"の世界へ誘います。さあ行こう!)

3. ANTHEM
シングルカットしたらもっと話題になったであろう良曲。サッカーソングの集大成となるクオリティの高いものである。NEWSのロングトーンはビブラートを排除したシンプルなのが特徴であり、そのスコーンと突き抜ける「音」は疾走感とハーモニーを増幅させる。タイトル負けしていない。Bメロのハモりは1番が増田さん、2番が手越さん。このラインあまり目立たない且つ単純に3度とかじゃないからものすごく難しい。末恐ろしい。ここは「Top of the world」(世界のトップへ)となるのですね。ラップのWo o o o が振り付きで見たら、(歌番組)Perfumeみたいでとてもかわいらしかった。

4. シリウス
シリウスは太陽を除いて最も明るい恒星。おおいぬ座の一部であり冬の大三角形の中にも入っている。叶わぬ恋を表現するっていうのが憎い。だってこの冬の大三角形の中を天の川が通っているからな!男女を隔ててしまう天の川。ただ、弱い「光」ではなくとても強い「光」のシリウスはこの歌の主人公の強い想いと願いを表しているのだろう。

瞳閉じれば 届きそうなのになぜ
近づくほど遠ざかる
恋、空に願う

歌詞カードのこの「遠ざかる」と「恋」の間で改行し、且つそのあとに読点がうたれているのが個人的に「うわー!!」となりました。TAKE3にやられた!*1あと、「永遠だったときめきを」っていう永遠という時間制約のないものに対して過去形使うのが憎い!!!!悔しい!!
そして冒頭のシゲテゴのシゲ上ハモ、テゴ下ハモっていうのが神!!そしてOh oh oh…が1回分だけ音が変化するのが細かい芸。6人NEWS懐古厨としては、これをね、単純にね、恋愛だけで見られないわけで……。*2最後が余韻残すのではなくて、一気に音がなくなる。まるでこの曲自体が幻だったかのように。

5. Touch
永遠に叶わぬ恋を歌ったあとに恋の始まりを入れてくる憎い演出!これはPerfumeの「ナチュラルに恋して」みたいなウキウキ感がある。タイトルをね、自分たちの最初のアルバム名とかぶせてきたのにエモさを感じて、このシリウスからのTouchはいい意味のエルボーを食らう。これを歌っているのがアラサーという事実に驚くが、いつまでもパステルカラー背負えるのは彼らの特権ではないか。しかしながら若さだけではない包容感を感じる歌声はあっぱれの一言。PVもポップで最高、そして相変わらずキーが高い。このサビのワンフレーズにファルセットを少し入れる手法をよくNEWSはとるのだけれども、声の衰えを知らないので無敵。そしてこの恋心を大切にしたいという思いを込めてとても丁寧に歌われている。

不思議だね 
寒くない
まさか恋の仕業?

という冒頭のフレーズを増田さんが歌うのだが、これはリズムに合わせなくてセリフで言っても「かわいいで賞」ノミネートだな。*3あと、彼がこういう歌歌うと語尾に「っ」をつける歌い方するから憎いんだよ。心が弾んでいることを「音」で表すんだよな〜。天才。
恋をすることとか、好きな人ができたことを「春が来た」と言うことと近いのかな〜と思うとkawaii!!
ニッセンとのタイアップは神業だったため、あれがPVでも全く違和感なかった。

6. NEWSKOOL
Touchのポップさから違和感ないような冒頭のピアノライン。おもちゃ箱ひっくり返したような「音」の洪水が降り注ぐ。タイトルがオールドスクール↔ニュースクールとNEWSはCOOLから来ているという話。実際オールドスクール・ヒップホップとは、

オールドスクール・ヒップホップとは、1970〜1980年代のニューヨーク市で行われていたブロックパーティから登場してきた、ヒップホップ黎明期を意味する言葉。

オールドスクール・ヒップホップでは、ディスコ、ソウル、ファンクなどの音源をサンプリングすることが多かった。シュガーヒル・ギャングの場合、生の演奏をサンプリングして活用した。しかしながら、すぐにオールドスクールのアーティストたちは、ドラムマシンや、人気の間奏部のサンプリング済みの素材集などを活用するようになった。このようなサンプリングされた間奏部を有効に活用するために、ミックス技術やスクラッチ技術が発達していく。
オールドスクール・ヒップホップ - Wikipedia

最初のかけ声がLet's 4!という憎い演出に加え、「A N.ew E.ra W.ill S.tart Ready or not」(新しい時代が始まる。用意はいいかい)という冒頭の頭文字での言葉遊び。それぞれのソロ部分に自分の名前が入っていて、メロディラインも違う。キャッチーなメロディラインで耳触りのいい声での小山さんラップから徐々にスピードを加速させた増田さんの技巧派ラップ、そして加藤さんの韻踏みまくったちょっと色っぽい緩やかなテンポのラップ、そして朗々とのびのび"歌う"ラップの手越さん。そして、この順番でのMC部分がまた秀逸。女の子に対してさあ一緒に踊ろうぜ!って言っているナンパ!!ジェントルマンとかいらないという潔さ!さすがNEWS。さらっとモテ要素を出してくる感じがアイデンティティで素晴らしいと思う。この曲については、説明したいことたくさんあってこれじゃ足りないので、また別にNEWSKOOLだけのものを書くね。

7. 四銃士
ヒップホップからのクラシックポップの流れ。この曲は金田一のアニメで聴いた時とラジオで聴いたフルのギャップが激しくて、(アニメで使われている所は最後の転調している部分だったから、フルで聴いた感想の私の第一声は「低っ!!」だった。)面白かったのを覚えている。テレビで披露されたのはMusic Fairのみということで、私の中のもったいないおばけが暴れ回っていた。それにしてもこんなに豪華絢爛且つ、それに引けをとらないあの漆黒の衣装に身を包んだアイドル4人組。背中にオケを背負って華麗に踊る姿は思わずため息がこぼれてしまう。そして指揮者の西本智実さんがまた素敵でね〜。歌もこのサビのロングトーンはアイドルポップスではあまり見ない歌唱法で、ものすごく肺活量鍛えられただろうなとか、4人でブレスの位置をばらして決めているのだろうかとか(合唱曲ではよく物理的に一息で歌えない部分がある場合、パート内でブレスの位置を小節の切れ目を避け各自ずらして行う)想像していたら萌える。けれども、これ日本語の歌詞が上手いこと切れているので、ブレスのずらしは行われていないのだろうなと残念に思いながら。「one for all all for one」のハモりラインが気持ちよくて好き(古典的な合唱曲好きとしてはたまらん。ハマって欲しいところに音が終着する感じ)不穏な闇夜に鳴り響くチューブラー・ベルの使い方から始まり、最後の転調する時の黎明を表すような日の光を感じるチューブラー・ベルといい、パガニーニの世界観も重厚に表現しつつアイドルクラシックポップスという新しいジャンルにマッチしている。是非、このアイドルクラシックポップスのジャンル曲をこれからもNEWS挑戦してほしい。小山さんがクラシックハマっているから、よろしくお願いします!!

8. Wonder
四銃士からどう繫げるのかと思ったら、重厚なピアノから始まることで違和感を最小限にするということに成功してるからすごいわ。NEWSらしいダンスナンバーで、ワンナイトラブフィーバーですね!!!!相変わらず清々しい。

No No 求めるのは偽物(フェイク)じゃない
Yeah Yeah そんなの簡単じゃない?

ここを聞いたときに、

ピカピカのダイアモンド
そんなものは 興味がないの

ももいろクローバー行くぜっ!怪盗少女

を思い出した。なんだろう、メロディライン?
Wonderはさらっとハモリが多様されていて、また上手になったなーという印象を受ける。さらっと流すハモリ(新しい)力んでなくて耳馴染みがいい。
そして、1番サビ前の手越さんの「Wonder」と2番サビ前の増田さんの「Wonder」が一度聴いただけでは見分けがつかない。どちらも手越さんかと思った。びっくり。そして、いつも手越さんは歌詞に英語が使われている場合、歌いやすさを優先して発音もにょるときが多いのだが、(でも気持ちはものすごく分かる。私も合唱の時、発音より発声の仕方を重視しろと言われたことあるし、言い替えてたし。)その点今回の「Wonder」は素晴らしかった。これは何とセットで歌われるのだろうか。やっぱり皆(私は除く)大好き「バンビーナ」かな。そしてダンス、演出も楽しみ。ボンボン火を焚いてほしい。

9. ライフ
これがアルバムの裏のリード曲だと思っている。NEWSのモラトリアム青年を哲学的に切なく。NEWSは本当に色褪せないポップさを通常装備していてすごいなー。モラトリアム青年を声で表現するのに長けているのは、小山さん。FLY AGAIN(私の中で元祖モラトリアム青年曲)も私小山さん歌いだし大好きなんです。そんな小山さんのパート。

いつかは星になる事 受け入れられるように 今日を生きていく

……エモい。遠い未来の未知なる部分への不安を悟られないように美化しつつ、「いま・ここ・わたし」を強調する、一種の強がりのように見えて実は悟っているような、なんともいえない歌詞にやられました。
NEWSは、社会に対する風刺を歌うことがあまりなくて、自分が住んでいる世界に対して不安もあるけれども好きだよ。この世界で僕は生きていくんだ。っていうスタンスなのが、すれた大人である私にはとても響く。シゲアキさんも、「この世界まじフ○ック」の過去から、「世界は案外お前に優しいよ」に変わったって言ってるし。アイドルが人生捨てたもんじゃないって歌うのは偉大だ。

10. チュムチュム
これはさ、アルバムのどこに入れても完全に浮くわけだけれども、この世界観を演じ切りかっこいいNEWSは最高だと思う。そして歌唱力が試されるメロディは一度聴いたら忘れない。White魂の東京ドームで爪跡をがっつり残していたよ。(DVD観た)考えるな!感じろ!!のインド映画のように、観ていてすがすがしさと後味ハッピーな感じがとても良い。頭の中でエンヤーエンヤーと永遠にループされるからね。依存性高し。

11. Departure
パステルポップな曲の始まり、増田さんの弾む歌唱法で一気に世界観に引き込まれる。新しい一歩を踏み出す勇気をくれる始まりの歌をここに持ってくるあたりなんだか憎い。これからがNEWSの新しい始まりだよ。まだまだ進化するんだよ。と期待を込めて観ててね!というのをちょっといじらしさを感じられるように歌うから。あーーーーかわいい。応援するから!ってなる。

12. ヒカリノシズク
これはPVがそれぞれ葛藤している設定を分けてあって、とても興味深かった。そして難しい歌なんだよなー。NEWSの過去とリンクさせずにテレビで歌う彼らを観ることができたのは、意味あることだと思っている。最後の曲は希望の「光」として未来を照らし出す。彼らのこれからの道しるべになる曲。


どの曲も4人の声でないとだめだ!となるものばかり。コンサート楽しみにしています。

*1:不本意笑

*2:うううっ。

*3:私の頭の中で、増田さんが微笑みながら「不思議だね。寒くない!まさか……恋の仕業?」とターンして言っている。