いつまでも夢見る心

少しでもライブ気分を味わおうと、iPod touchのアプリStagePassでCDを聴いています。Libery HallかKulturhausの二択。私的今回のアルバムの聴き所コンセプトは、「青春」というテーマと共に「JPOP隠れオマージュ」というところ。
1 蒼色ジュブナイル
蒼の意味を踏まえていくと面白いかなと思ってみてた色見本のサイト(http://irononamae.web.fc2.com/index.html)でも分からなかったから熟語で探したら「蒼穹」(空気が澄んで青々とした空)とかイメージしやすいのかな。アルバムオープニングにふさわしい迷いも包んで全て導かれるままに前へ進むんだというどこまでも爽やかな歌。
2 ハルメキ
aiko。イントロの走りがそんな感じですね。あとは、キャンディーズの『微笑みがえし』みたい。歌に入る前のズンチャチャズンチャチャっていう音が春の歌っぽい。この曲だけ迷いや憂いがない、青春の勢いをそのまま表した曲でどこまでもルンルンする。
3 いつかの街
スピッツ。最初聴くと一番印象が薄い曲。「君を忘れていく」「背を向ける」「かすれていく」「孤独」「憂い」「消えていく」等々もの悲しい歌詞の中で『きらめいた』というヒカリが射すところが、くすぶったトンネル(青春)を抜けて振り返ると見えた景色という感じで、聴けば聴くほどいい歌。スルメソング。JPOPの最後のフレーズを2回繰り返す手法大好きです。きらめいた。
4 DONUTS
まさにザ・ゴスペラーズ。ファルセットの応酬でますますI belong to you.が甘く聞こえてくる。昔のモチーフと今が混在しているレトロポップ。羅列される言葉は全てクサいけれど、これを王道のゴスペルに当てはめるとオシャレに聞こえるから憎い。「恋の切なさも cv.手越」「愛しい痛みも cv.増田」の歌割りが秀逸。セピア色の曲。
5 ファンタジア
ユーミン。前の歌がセピアなら、恋をして色付いたというカラフルな色調が見えてくるからこの曲順素晴らしい。このモチーフはかの松田聖子さんの『バラ色の扉』にも"あなたに出会って世界中がバラ色に光りだしたわ"とあるほどJPOPの中では王道の世界観。愛を知って世界が色付き、愛を失って色が消えていく。それを感じて涙する主人公は市川拓司の小説の中の登場人物みたい。
6 タイムマシン
コブクロ。Aメロの低い位置からサビに向けてどんどん音階が上がっていくエンドレスサマー唱法(勝手に作った)後悔というキーワードのもと心の中に燻っている小さなヒカリを取り出して懐かしむ。懺悔のような歌。
7 サヨナラにさよなら
もう言わない言葉だから無機質なカタカナで表現されていると私は解釈しているので、このタイトルからしても柔らかい穏やかな歌だなあと。
8 少年〜Re:Story〜
BUMP OF CHICKEN。サビのハモリがスコーンとはまってすごく心地いい。このバンドサウンドが若気の至りって感じでいい味出してますね。4ピースバンドがバンドワゴンに機材積んで巡業している感覚。何も知らずに先の未来をキラキラした目で見据えて1歩踏み出す。Re:StartじゃなくてRe:Storyっていうのがいい。物語を再び。
9 innocence
スガシカオ。少年から物語を再び紡ぎだした矢先にぶち当たった壁。流れ完璧。そしてこの歌の根底にあるのは、アイデンティティを確立しようとする際に青少年が引き起こす「自己疎外」*1のモチーフ。このぐずぐずしたやさぐれた感じたまらない!!この気持ちに対してinnocenceって表題つけるところが憎い!ライブで増田さんにヤラレルらしいので、映像化を楽しみに。
10 猫中毒
この後にぶっこんでくるからどうした!?ってなるよね〜。恐ろしいほど技巧派な歌なんだけれども。このハモリ完璧にできたらもう自信もってテゴマスに駄目だしできると思います。ホント難しくて無理!このテンポでハモる難しさよ。
11 色鮮やかな君が描く明日の絵
ゆず。青(幼いころの追憶)黄(幸せの象徴)白(これからの無限の可能性・人生のキャンバス)黒(迷い、苦しみ、悲しみ)赤(愛)くるくる表情が変わる歌でカントリー調によく合う。聴いていて幸せになれる陽の曲。
12 ヒカリ
リード曲たる所以は世界観。曲自体はこのアルバム内では埋没しそうだけど、どの曲も青春のヒカリを「目指す」のか「懐かしむ」のか「中にいる」かだとおもった時にストンと入る。蒼とオレンジは補色で混ぜたら緑になる。色鮮やかな〜のあとで持ってくるのもドンピシャ!
13 きれいごと
スキマスイッチ。この歌詞ナイフみたいに鋭い自分に厳しいところを手越さんのピンとした声が、それが結果花を咲かせるんだという温かさを増田さんのまあるい声がそれぞれ表現していてベストマッチ。
14 月の友達
月に棲むウサギはこういう信仰対象として見られているところもあるとのこと。

"ウサギは、冬に失われた生命が復活し草木が芽吹き花々が咲き誇る再生の春のシンボルである。卵は宇宙の根 源のシンボルであり、宇宙は卵から生まれ、殻の上半分が天になり、下の部分が地になったことをあらわす"

*2
イースターはウサギの卵だしね。春だよ青春。そこまでつなげているかは謎ですが…。そしてツキアッテの意味の複数掛詞。発想が豊か!何よりさりげなく入っている歌詞の

いつまでも夢見た心で 届ける音楽 テゴマス

裏切らないね。メッセージ。これで締める粋な計らいが大好きです。

私はこのアルバムJPOPのオマージュとして布石を投じて、この後にカバーを出す算段なのではないかと期待してます。あとはアルバム自体の音のクオリティをJEは頑張って上げて下さい!