ソーダ水とピチカート。「同級生」

観てきました。
三ツ矢サイダーとか、カルピスサイダーとか、なんでしゅわしゅわの清涼飲料水って青春イメージのCMが多いのかという事に対する答えをみた気がした。しゅわしゅわの音は時間が経つとすぐに抜けてなくなってしまう。刹那的な飲み物なのだ。

じわっとした微熱ほどの良い感じの熱量を漫画から感じていたのだけれども、実際に草壁くんが動き出すとけだるそうに見えてすごくかわいらしい動きをするんだな〜。涙をぼろぼろ流したり、ばかばかとかわいく罵ってみたり。ふわふわの頭に思わず触りたくなる。
佐条くんは理知的でありつつ非常に扇情的に煽ってくる感じがよく出ていました。
中村明日美子さんのモノローグがものすごく好きなのですが、綺麗に使ってあって、それを草壁くんが言う所がなんだか憎いな。


味のしないソーダ水がしゅわっと弾けて恋に落ちる。
檸檬風味のソーダ水をぶちまけてしゅわっという音と共に二人の間に少しズレが生じる。
互いの心が動いた時にギターのピチカートが響く。

押尾コータロー氏とガリレオガリレイの尾崎氏の主題歌も、ガリレオガリレイが解散するという事実をもってしても恐ろしくエモい。



とても丁寧に作られていて、とても純粋で、面映ゆいものだった。
劇場限定の冊子は二人が20歳になるお互いに向けたかわいらしいサプライズの過程が描かれています。
「まじめに、ゆっくり、恋をしよう」

もう一度、夏に観たい。

僕はきっと旅に出る

「明日から仕事で旅に出る」という増田さんの一言とここ最近の彼の姿から、何があるのだろうという一抹の不安と新たな一歩に対する期待という遠足のような気持ちでそわそわしていた。芸術の都で本場の音楽に触れるのか、人々の生活の中に根ざしているダンスを現地の人と一緒に踊るのかという妄想を膨らませていたら……。サバンナでサバイバル。(押韻)皆さん情報を2度見しましたよね?そしてワイドショーでワイルドなTAKAHISAが現れ、ちょっと混乱しつつもすごく嬉しかったです。本当に嬉しかった。

増田さんは努力している姿や苦しんでいる悔しがっている姿を外に出すことを嫌います。そこまでの過程をすっ飛ばして、私たちの目の前では結果しか見せません。それが、26歳頃をきっかけに少しずつ表に出すようになりました。そして、他のメンバーは昔からそれを出していけとよく彼に言っていました。(特に小山さんはラジオでそういう所を突いてくる)20代前半はそれが彼にとって見せないというのがポリシーとして確立していて、他人によって暴かれるのが地雷であり、不機嫌になるときもありました。(その度に外野はヒヤヒヤ)それが少しずつほどけてきたのがそれこそ増田さんが「大人」と認識している26歳前後です。奇しくもNEWSが4人になる時期と重なります。こうやって変われたのは「変わらなければならない」という自分達の状況と、何より、地雷を避けることなく、果敢に立ち向かってくれたメンバーと、周りの人達の力ではないかなーと勝手に思っています。

すごく印象的だったのが、テゴマスのシングル「サヨナラにさよなら」をプロデュースして下さった松尾潔さんがテゴマスのラジオに来て下さった時のお話です。増田さんが得意の自虐で、「難しい曲できたら、最終的に俺歌えなくて手越だけになってたりして。」というようなニュアンスでおどけた時に松尾さんの返しがすごく印象的。「ちゃんと帳尻合わせる人だって聞いてますよ。水面下で足すごい水かきしてるんでしょ。」
これを当時聴いた時に、結構ショッキングだったんです増田担としては。そういうの見たくないし、見せない人という固定観念があったから。そしたら増田さん「むはははは」っていつものゴリラ笑いだったんです。そこで、周りはそこまで含めてこの人を買ってくれているんだと感じたら、今までのお仕事の結果(テレビの彼やCDの彼、コンサートの彼)を見ているだけじゃなくて、裏も見て好かれて、周りに人が集まってくるんだったら、それもまるっとひっくるめて増田貴久の魅力なんだろうなとすとんと私の心が落ち着きました。
業界人たらしと言われるゆえんは私達が見えていない部分にあるのかもしれません。そう考えたら、あの人が内包しているものは更に広く深いものだろうなとおののいてしまうと同時に、どんどん見せていっても枯渇しないだけの人間なんだろうな。もう意味わかんない。好きだー!!!!

今回、サバンナで無精ひげにぼさぼさの髪、タオル巻いてごつごつした岩の上に胡座かいている増田さん。ファンからどう思われるか不安な心中を雑誌から察することもできました。
少なくとも私は、新出のワードローブである増田貴久vol.◯◯がお目見えするということで、来年がすごく楽しみです。
あと、この仕事が自分の所に来たのがすごく嬉しいと言われている姿に、2年前にあった10000字インタビューで答えていた「チャンスはつかむものではなくて、自分の所にチャンスが来るように、今すべきことを見定めて行動する」という精神がぶれていないのだと分かってホントこの人かっこいいなーと思いました。1つチャンスの神様が舞い込んできたね。

最後に。ずっと卑屈にならずに、コツコツと仕事を積み重ねていく姿はグループの中では花形の主人公にはなれないどこまでも脇役な人だな。縁の下の力持ちだなと思っていたんですが、彼自身の物語中では立派な主人公です。物語の主人公というのは必ず変化していくもの。本人がこの変化を怖がらずに前に進めるきっかけで旅に出たと聞いた時に、この歌を思い出しました。最後に引用します。

僕はきっと旅に出る 今はまだ難しいけど
未知の歌や匂いや 不思議な景色探しに
星の無い空見上げて あふれそうな星を描く
愚かだろうか? 想像じゃなくなるそん時まで

指の汚れが落ちなくて 長いこと水で洗ったり
朝の日射しを避けながら 裏道選んで歩いたり
でもね わかってる

またいつか旅に出る 懲りずにまだ憧れてる
地図にも無い島へ 何を持っていこうかと
心地良い風を受けて 青い翼広げながら
約束した君を 少しだけ待ちたい

「僕はきっと旅に出る」スピッツ

まだまだ未知の歌や匂い、不思議な景色を見せてくれるあなたへ。